これくらいはいい?/境界線の前で迷う/結果がポジティブなものにならない/直面せざるを得なくなるまではそれを避けたい/無駄なエネルギーを使いたくない
本当は正面から手続きを踏むべきだとわかっている。
きちんとスジを通したほうがよいこともわかっている。
けれど、面倒な確認や、余計な負担、不公平な要求からは、できれば逃れたい。
そんな心の葛藤が、夢の中で
「ズルをしようとする」
という形をとることがあります。
「悪いことをしよう」という心理というよりは、
うまくやり過ごしたい。
余計な責任を背負わされる前に、そっと通り抜けたい。
そんな気持ちがあるのかもしれません。
ズルをしようとする夢は、面倒なことから逃れたい心理
私たちは、いつも正面から堂々と物事に向き合えるわけではありません。
やるべきことだとわかっていても、
その手続きが面倒だったり、
相手に説明するのが大変だったり、
関わることでさらに余計なことを頼まれそうだったりすると、
「できれば、このまま通り過ぎたい」
と思うことがあります。
ズルをしようとする夢は、
怠けたいというより、
これ以上、面倒なことに巻き込まれたくない
という防衛反応に近いものです。
現実でも、
誰かに見つかると仕事を増やされる。
声をかけられると、断りにくいことを頼まれる。
一度引き受けると、それが当然のように扱われる。
そんな立場に置かれることがあります。
とくに、常識があり、責任感の強い人ほど、
「頼まれたら断れない」
「ここで拒否したら悪いかな」
「自分がやったほうが早いかもしれない」
と考えてしまい、気づかないうちに負担を引き受けてしまうことがあります。
そういう状況が続くと、心は自然に、
目立たないようにする。
相手の視界に入らないようにする。
正面から関わらないようにする。
という動きをすることがあります。
ずる賢さというより、
自分を守るための小さな回避
なのかもしれません。
実例:通行許可の手続きをすり抜けようとする夢
ある場所へ車で入ろうとしていました。そこは本来、自動車通行許可が必要な場所でした。
夢の中の私は、その会社に出入りしたことがあり、知り合いもいるため、まったく無関係な場所ではありませんでした。けれどその日は、友人の車のすぐ後ろについていけば、面倒な申請用紙の記入をせずに通れるのではないかと思いました。
別にやましいことをしているつもりはありません。ただ、一台ずつ止められて用紙を書いたり、確認されたりする手続きを、できれば避けたかったのです。
ところが、結局その申請用紙を守衛のような場所で見せなければならないことがわかり、私は「うっかりしていました」というような態度で戻りました。そこで働いている知人を探しましたが、いつもならすぐ見つかるはずのその人がなかなか見つかりません。
私はその人の名前を呼びながら、ピンク色の手続き用紙を探しているところで目が覚めました。
この夢でも、
悪意からというよりは、
正面から手続きを踏むとなると面倒だという気持ち
が表れています。夢主は
余計な確認や要求を受けるかもしれないから、
誰かの車の後ろについて、流れにまぎれて通ろうとした、
けれど結局、申請用紙を求められます。
これは、心のどこかで、
このまま曖昧にすり抜けるだけではすみそうもない、
自分の立場や役割を、あらためて示す必要がある
と感じていることを表しているのかもしれません。
不公平な負担から逃れたい気持ちと、筋を通したい気持ちのあいだで揺れている夢
と考えることができます。
夢主からすれば、
勘弁してよ~、というところでしょうか。
ときに、
面倒なことを遠ざけようとする行動そのものが、
かえって厄介事を招いてしまうこともあります。
学校の宿題にせよ、仕事上の取り組みにせよ、
課せられたことを「いちから」するのが面倒で、
途中のプロセスを飛ばしてしまうことがあります。
けれど、それが発覚したときには、
信頼を失うことになりかねません。
避けたい。
これ以上、そこにエネルギーを使いたくない。
正面から関わると、また面倒なことになりそうだ。
そう感じるのには、あなたなりの理由があるとしても、
その理由を誰にも伝えないまま避け続けていると、
相手にはこちらの事情が見えず、
思わぬ誤解が生まれてしまうこともあります。
現実で何か懸念していることがあるなら、
無理のない範囲で、関係者と共有してみるのも一案です。
そうすれば、
自分を守りながら、正面から進む道が見えてくるかもしれません。
ズルをしようとする夢は、
不正行為の夢と似た印象を持つことがあります。
ただし、不正行為の夢が「正しさとは何か」「良心と現実の歪み」を問い直す夢であるのに対し、
ズルをしようとする夢は、もっと日常的な場面で、
面倒な手続きや不公平な負担から逃れたい心を表すことがあります。
ルールを破ることへの後ろめたさや、正しさそのものへの迷いが強い場合は、
不正行為の夢 も参考にしてみてください。


コメント