正しいと思っていたものに疑問が生じた/盲目的に信じることから一歩外へ/「考える力」が育ち始めた

― 正しさが揺れ始めたとき ―
「父親が会社で横領を働く」など、
分別があり、立派だと思っていた人が
ルールから外れる行為をしている夢を見ることがあります。
夢主から見た実際の父親は、
むしろ善良で、尊敬できる存在です。
この夢は、父親本人の問題や現実の不正を示すものではない
ことを、先にお伝えしておきます。
ここで描かれているのは、
「正しいはずのものが、必ずしも一方向ではない」
という事実に、夢主の心が触れ始めた瞬間です。
良心があるからこそ、迷いが生じる
のです。
夢の中で、夢主は
「それは悪いことだから、やめた方がいい」
と諭します。
この場面は、
良心の欠如を表しているのではありません。
むしろ、
善悪を判断する感覚がきちんと育っているからこそ、
簡単に割り切れなくなっている状態を示しています。
善良さ。
安定をもたらしてくれる側面。
安心や恩恵につながってきた現実。
それらと同時に、
どこかで歪みを生んでいるかもしれない側面を
同時に見てしまったとき、
人はすぐに行動へ移せるわけではない、
不正行為の夢が映すもの
夢における「不正行為」は、
犯罪性や道徳的断罪を目的として現れたのではありません。
それは、
表と裏
正しさと都合
善意と歪み
そうした二面性を含んだ現実を、
心が初めて立体的に捉え始めたことを示す象徴です。
この夢は、
「正しさを疑う夢」ではなく、
正しさをそのまま信じきれなくなった自分自身を
受け止め始める過程を映しています。
誰かの示した正解。
社会が用意した正しさ。
守られてきた価値観。
それらが崩れたわけではなく、
自分の中で問い直され始めただけなのかもしれない、
この夢は、
善悪を見失ったことを示すのではなく、
より誠実に、より深く
「正しさとは何か」を考え始めた心の動きを伝えています。
夢は答えを出すためのものではありません。
考え始めたあなた自身を、
静かに映し出しているのです。



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