なぜ夢の中で『自分だけが』と感じるのか

夢の小さな哲学

報われなさ/不公平に耐えてきた心

夕暮れの空の下、ベンチにひとり座る人物のシルエット夢はときどき、

長いあいだ心の中に沈んでいた感覚を、

とてもわかりやすい形で見せてくることがあります。

兄や姉ばかりが認められている。
妹や弟ばかりが可愛がられている。
自分だけが損な役回りを引き受けている。
自分だけ、十分に休めない。
自分だけ、我慢するのが当たり前になっている。

夢の中の不公平感は、
単なるわがままや嫉妬ではなく、

「同じ場にいたはずなのに、自分には十分に与えられていなかった」

という心の記憶なのかもしれません。

夢の中で、私は実家にいました。

壁に穴が開いていてボロボロでした。(現実の実家はもう売り払っていてないのですが)

私は姉と同じ部屋を使っていて、その日は そこで寝るしかないのです。

ボロボロのダンボールとベッドで寝ないといけないのです。

隣では、姉が気持ち良さそうな布団で寝ている、 自分だけ、いつも我慢しなければいけない、~~~

以前の実家が出てくる夢は、
今の現実そのものというより、
昔から積み重なってきた心の土台や、
家族の中での自分の位置を表しやすいものです。

一見ちゃんとして見える家庭や人間関係の内側に、
傷んだ部分や、満たされていない部分がある。
そんな状態が、古い家や傷んだ部屋として表れることもあります。

また、夢の中で姉だけが気持ちよさそうな布団で眠り、
自分だけが段ボールのような場所で寝なければならない場面は、
現実の姉妹関係そのものを映しているというより、

誰かは守られているように見える。

自分は、劣悪な条件でも我慢してしまう。

そんな心理状態を、姉との対比で描いているのでしょう。

段ボールが寝床になっている場面は、

「私はちゃんと大事にされる場所で休めていない」

という心の叫びにも近いものです。

こうした夢が映しているのは、

愛情の量そのものというより、

安心できる場所や認められ方、

甘えてもよい立場、守られてよい感覚が、

自分には少なかった、

という思いなのかもしれません。

夢は、その見えにくい痛みを、

眠る場所の差や、与えられる条件の違い、

兄弟姉妹との扱いの差として描くのでしょう。

家族の夢には、

現実以上にはっきりとした不公平感があらわれることがあります。

ただ、それは、

現実の誰かを責めるためというより、

これまで飲み込んできた感情を、

ようやく自分自身が見つめるためなのかもしれません。

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