言葉にならない思いを抱えている/「問い」を抱えたまま生きているから
夢の話をしていると、
「色鮮やかな夢を見ました」「印象的な赤が残っています」
そんな声を耳にすることがあります。
一方で、
自分の夢には、はっきりした色がほとんど出てこない
そう感じている人もいるのではないでしょうか。
実は私もそうで、どうしてみんなこんな鮮やかな色を見れるのだろう、と不思議に思っていました。
薄暗い。
グレーがかっている。
景色は見えているのに、色だけが曖昧。
それは、悪い夢なのでしょうか。
心が疲れている、ということなのでしょうか。
まず、お伝えしておきたいのですが、
夢に色が出にくいからといって、
感情が乏しいわけでも、感受性が鈍いわけでもありません。
むしろその逆で、
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感情をすぐに反応させない
-
一度立ち止まって考える
-
その場の「空気」や「意味」を受け取ろうとする
そんな内省的な心の使い方をしている人ほど、
夢は派手な色をまとわなくなります。
夢の中の色は、
出来事そのものよりも、感情の濃さを表しています。
強い喜び、強い恐怖、強い高揚があると、
夢は自然と鮮やかになります。
けれど、
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感情を急いで結論づけない
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白黒をつける前に、考え続ける
-
どちらとも言えない状態を抱えたままでいる
そんな心のとき、
夢は色をつけるのを保留します。
それが、「グレー」の夢です。
グレーというと、
曖昧・不安・よくない状態
そんな印象を持たれがちです。
けれど、夢の中のグレーは、
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極端に振れていない
-
現実感覚を保っている
-
まだ答えを出さなくていい場所にいる
という、とても安定した状態でもあります。
光も影も、両方を見ようとしている。
だからこそ、色が定まらない。
それは、止まっているのではなく、
あなたが
深く考えている最中にある
ことを告げています。
色の少ない夢を繰り返し見る人は、
感情に流されにくい
他人の価値観を鵜呑みにしない
長い時間軸で物事を考えられる
という、静かな強さを持っています。
派手な夢は分かりやすい。
けれど、色のない夢は壊れにくい。
それは、
心が「考えること」をやめていない証拠です。
夢は、必ずしも答えをくれません。
ときには、
結論ではなく、
問いそのものを差し出してくることがあります。
色が出にくい夢とは、
まだ名前のついていない思いを、
急がず、大切に抱えている状態
なのかもしれません。
もし、あなたの夢がいつもグレーなら、
それを「よくないもの」と切り捨てなくて大丈夫、
それは、
明るくも暗くも決めず、
それでも考え続けている心の色
なのですから。
あなたを
静かに、深く、
支えているのでしょう。



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