夢(無意識)は覚醒時の生活と交じり合い、私達の生を支える
悪い夢を人に話すと「それは逆夢になるよ」と言われることがあります。
恐怖の夢は様々なので、全てがそうなると言えないまでも、
「逆夢になる」可能性
を秘めた夢はあります。
「夢は現実とは反対にあらわれる」
という考え方もありますが、
心理学者の 河合隼雄 は、
夢を
「ただの映像ではなく、“経験”そのものである」
と捉えました。
この視点は、「逆夢」を考えるうえで、
とても重要な意味を持っているように思います。
私たちは、
現実で体験したすべてを
そのまま記憶しているわけではありません。
特別に印象的な出来事でなければ、
細かな動きや言葉は、
驚くほど簡単に忘れてしまいます。
それでも──
たとえば、
認知症になった恋人が、
同じ女性に、同じ場所で、
もう一度プロポーズした、
という実話があるように、
本当に大切なことは、形を変えても、残り続ける
のです。
「経験した」というのは、
ただ見たり聞いたりした、ということではなく、
あなたが行動を起こし、
その世界を実際に生きたということ。
たとえ意識の上では忘れていても、
その経験は無意識のなかで、
・違和感
・直感
・ふとした閃き
となって、
私たちの生を静かに支えています。
目覚めたあとも強く印象に残る悪い夢は、
それだけ
「すでに心が、その出来事を経験している」
とも言えるでしょう。
逆夢になる夢、というのは、
まだ起きていない未来を予言するものではなく、
もう“わからない”状態ではないこと
を知らせているのかもしれません。
だからこそ、
同じ過ちを繰り返さずにすむ。
それが、
「悪い夢が逆夢になる」
と言われる理由なのではないでしょうか。



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