夢の途中で目が覚めてしまったとき、
「もう少し見ていたかった」
と思うことがあります。
懐かしい人に会えた夢。
美しい場所にいた夢。
何か大切なことがわかりかけていた夢。
あるいは、物語の途中でぷつんと切れてしまった夢。
なんとか、
もう一度あの夢の続きを見れないだろうか。
そう思ったことのある人は、少なくないのではないでしょうか。
中には、
「もう一度寝たら、夢の続きを見た」
と言う人もいます。
夢というものは、目が覚めた瞬間に終わってしまうもの、
そう思っている人には、少し不思議に感じられるかもしれません。
でも、
毎日のように夢を見る人や、二度寝三度寝もしょっちゅう、という人にとっては、
特別なことではないのかもしれません。
考えてみれば、目が覚めたからといって、心の中の物語まで完全に終わるわけではなく、
夢の場面がぼんやり残っていたり、
夢の中で感じた不安や、懐かしさ、胸の高鳴りが、朝になってもまだ心に残っていることがあります。
その余韻を抱えたまま、もう一度眠りに入ると、
心はまた同じ場所へ戻っていくことがあるのかもしれません。
夢の続きを見るとは、録画した映像の続きを再生するようなものではなく、
心がまだ終わらせていなかった物語を、もう一度動かし始めること
なのだと思います。
夢の続きを見たいと思う心
「夢の続きを見たい」と思うとき、
私たちは何を求めているのでしょうか。
ただ面白かったから、続きを見たい。
楽しかったから、もう少しそこにいたい。
そういう夢もあるけれど、
もっと深い理由があったりもします。
亡くなった人に会ったら、
もう少し話したくなります。
昔の友人や恋人が出てくれば、
まだ言葉にならない思いが、心のどこかにまだ残っていて、それを伝えいと思うかもしれない、
怖い夢なら、
今度は逃げ切りたい、助かりたい、違う結末にしたい、という願いがあるのかもしれません。
夢の続きを見たいという気持ちは、
単に眠りの中の出来事に執着しているのではなく、
心がその夢に、まだ何かを見つけようとしている
ということでもあるのでしょう。
続きが見られる夢と、見られない夢
目が覚めてすぐにまた眠ったとき、
夢の印象が強く残っていると、同じ人物や同じ場面が再び出てくることはあるでしょう。
でも、必ず同じ続きを見られるわけではありません。
夢は、自分の思い通りに進む映画ではないから。
もう一度同じ夢に戻りたいと思っても、まったく別の夢を見ることもあります。
けれど、それもまた夢らしいところで、
夢は、こちらの願いをそのまま叶えるというより、
心の奥にあるものを、少し形を変えて見せてくることがあります。
続きを見たいと思って眠ったのに、別の夢になった。
ーーとしても、
そこには同じ感情が流れている
こともあります。
一晩にいくつも夢を見るときも、そうです。
場所や人物は変わっているのに、夢の中で感じた不安、期待、寂しさ、喜びが、どこかでつながっていることがあります。
二度寝して異なる夢を見たとしても、それは
同じ心のテーマが、別の物語として現れる
というだけなのかもしれません。
夢の続きを見るためにできること
どうしても夢の続きを見たいときに、できることとしては
目が覚めた直後に、すぐ動かないことです。
スマホを見たり、明かりをつけたり、人と話したりすると、夢の印象は急に薄れていきます。
まずは目を閉じたまま、
さっきの夢を思い出してみます。
どこにいたのか。
誰がいたのか。
どんな気持ちだったのか。
そのあと、自分はどうしたかったのか。
夢の場面を追いかけるというより、
その夢の「空気」にもう一度触れるような感じです。
そして、無理に続きを作ろうとしないこと。
「さっきの夢の場所へ戻れたらいいな」
「もし続きがあるなら、見せてほしい」
そのくらいの静かな気持ちで眠りに入るほうが、
夢は戻ってきやすいのかもしれません。
意図せず夢の続きを見る人は、
もしかすると、そうしたことを自然にしているのかもしれません。
夢を無理に操作しようとするのではなく、
夢の余韻を壊さないまま、もう一度眠りに入っていく。
夢は、強くつかもうとすると逃げていきます。
けれど、そっと手を差し出すと、向こうから戻ってくることがあります。
夢の続きを見られなくても
そうして
夢の続きを見たいと思っても、残念ながら見れないこともあります。
その夢は消えてしまった、という意味ではないのです。
夢は、見終わったあとも心の中に残っていて、
ふとしたときに思い出したり、
その夢について考えたり、
なぜあの人が出てきたのだろうと感じたりする。
その時間もまた、夢の続きなのだと思います。
眠っている間だけが夢ではありません。
目が覚めたあと、
その夢をどう受け止めるか。
何を感じ、何を思い出し、何に気づくか。
そこまで含めて、夢は私たちの中で続いているのかもしれません。
夢は、終わったあとも続いている
とくに期待してなかったのに、夢の続きを見ることも、あります。
そんなときも、同じ物語をもう一度正確になぞるのではなく、
心がまだ抱えている思いを、別の形で展開していく
のだと思います。
夢の中で
たどり着けなかった場所。
言えなかった言葉。
知りたかった結末。
それらは、目が覚めた瞬間に消えてなくなってしまうのではない、
朝になってからも、私たちの心のどこかで静かに続いていくのだと思います。
夢の続きを見たいと思うことは、
不思議なことでも、子どもっぽいことでもない、
と思います。
それはきっと、
自分の心がまだ何かを探している、ということ。
夢の続きを見るというのは、
眠りの中で起こる小さな奇跡であり、
同時に、目覚めた私たちがその夢と向き合い直すことでもあるのでしょう。


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