温かさ(優しさや愛情)に触れられれば、溶けて潤う/ それは「悲しみ」ではなく、「無関心」/心の奥には、まだ息づく感情がある
夢の中で氷に包まれている光景――
あるいは、人が凍ってしまう夢――
それは、
あなたの心が「冷たく凍りついた状態」にあることを象徴しています。
水は本来、自由に流れるもの。
感情や生命の循環、時の流れをあらわします。
しかし、それが氷になるということは、
その流れが
どこかでせき止められ、感情が凍結している
というサインです。
■「人が凍る夢」について
夢の中で“誰か”が凍っていた場合、
その人物が象徴する感情や記憶、あなたの一部が、今は凍りついている
のかもしれません。
もし、自分自身が凍ってしまう夢だったなら――
それは、
あなたの心が活動を停止し、
感情を守るために閉ざされている
状態を示しています。
もしかすると、あなたは気づかないうちに
「自分には価値がない」「誰も理解してくれない」といった
冷たい自己暗示を繰り返し、
その結果、心が麻痺してしまっている
のかもしれません。
この夢が示すものは、ただの悲しみや後悔ではありません。
むしろそれらを通り越した、
“無関心”や“強情な態度”――
自分を守るために、あえて冷たくなろうとする防衛反応
ではないでしょうか。
誰からも助けてもらえないように思えて、
あなたは、心の扉を閉ざし、外界との関わりを遮断しているのかもしれません。
現実とは違う場所に、心が避難しているのです。
■ 氷の中に眠る「こだわり」
私たちは、自分の心に対して強い執着を持ってしまうことがあります。
まるで、自分の心だけが特別で、
理解されるべき存在だと信じたくなるのです。
しかしその「こだわり」こそが、
氷をさらに分厚くしていく原因になります。
凍った状態を維持しようとすれば、
あなたはこれからも大きなエネルギーを使い続けなければなりません。
■ 氷を溶かすには「火」ではなく、「ぬくもり」
では、どうすればこの氷を溶かすことができるのでしょうか?
――無理に溶かそうとしないことです。
氷は、火で焼く必要などありません。
ただ、あたたかな室温の中に置いておくだけでいいのです。
心の原因となった人や出来事から少し距離をとり、
道行く人々のあたたかさや日常の光に、ほんの少し目を向けてみてください。
それは、自分の心のこだわりから意識を外し、
他者の存在や視点を取り入れていくプロセスでもあります。
あなたの氷のハートの奥には、
実はまだ、深く豊かな感情が息づいています。
ただ、それを認めることを恐れているだけかもしれません。
その感情とそっと向き合い、
「もう一度信じてみたい」「あたたまりたい」と願ったとき、
人間関係や人生そのものが、少しずつ変化していくでしょう。
誰かのさりげない励ましや、ふとした出会い、
「行ってみたい場所」や「やってみたいこと」に心が反応し始めたなら、
それが、あなたを少しずつ溶かしてくれる“春の兆し”です。
「変わりたい」「成長したい」――
そんな願いがあなたの中に芽生えたとき、
氷は静かに溶けはじめます。
夢の中で、もし氷が解けはじめていたなら、
それは、ずっと変わらなかった現実が、
ようやく動き出す前触れかもしれません。
あせらず、あたたかい光のほうへ、心を向けてみてください。
あなたの心は、また流れ出します。
――新しい春を迎えるために。



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