まだ完全には出られない。でも、もう心は動き始めている。
「今の自分を守りたい気持ち」と「外の世界へ出たい気持ち」が
同時に働いているとき、
家に閉じ込められる(出られない)夢を見ることがあります。
私は、生まれてからずっと家にいなくてはなりませんでした。
お父さんもお母さんも、絶対に私を外に出してはくれません。ある日、二人が留守にした隙に、意を決して外へ出ました。
ところが、少し進んだところで、
大勢の人がクワのようなものを持ち、こちらへ向かってきます。怖くなった私は、急いで家へ戻りました。
そのとき初めて、
お母さんたちは私を守ろうとしていたのだと気づきました。
別頁で「軟禁される夢」について述べましたが、
「家から出られない」はそれとは少し性質が違います。
| 夢の種類 | 心のテーマ |
|---|---|
| 軟禁・監禁 | 外側の力に抑えられる、抜け出せない環境・思考 |
| 家に閉じ込められる | 内側の力が働く、まだ出ないと心が選んでいる |
軟禁の夢は、「外部」の力によって
ー社会・家族・環境からコントロールされている感覚が強く、
家に閉じ込められる夢は、「内側」の力が働いている、
安全と自由の狭間で揺れる自分の心理を映します。
「まだここにいよう」
「でも、いつか外へ出たい」
という心の声です。
また、
家は、安心・過去の価値観・心の居場所。
上記の夢では、そこに留まることで守られていますが、同時に
外へ踏み出す勇気も育ち始めている
ことを告げています。
「夢の中で外へ出ると、大勢の人が近づいてくる」光景は、
未知への不安
外側の評価や傷つくことへの恐れ
の象徴です。
しかし戻ったとき、家=守られる場所だと気づく。
この夢での家族は、束縛ではなく保護の象徴として描かれています。
外の世界はこわいけれど、
その先に自分の未来があると知っている、
家は安全だけれど、
ずっとそこにはいられないと分かっている、
この揺れの中で、
自立へ向かう心の訓練をしているのです。
夢主は、
しばしば収容施設やマンホールなどの夢を見る
といいます。もし、あなたもそうであるなら、
大変感受性が高い人なのでしょう。
それは
守られてきた自分から、
自分の足で歩く自分へ変わる途中の景色にいるということ、
深いところで考え、外へ出る準備をしているのです。
扉は、無理にこじ開けなくても大丈夫。
あなたの心が準備を整えたとき、静かに、自分の力で開いていきます。
軟禁・監禁 参照



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