糸から極上の一枚を仕上げるには、
目には見えないものを受け止める「感性」と、形あるものへとかえていく「知性」(格闘する人の力)が求められる
どんなに複雑なものであったとしても、布(生地)は、
経糸と緯糸の関係で成り立っています。
私達は、
経糸という最大限の人生の中に、
「経験」という緯糸を織り込んでゆきます。
仏法の「経」は教えを意味しますが、元は「縦糸」のことでした。
機織りの縦糸が最初に設定されていて、ずっと変わらず続くように、
「不変性」「永遠性」を表します。
なので、
こう考えることもできます。
経糸は時間であり、「必然」、
緯糸は空間であり、「偶然」である、と。
私達は、必然と偶然との交差の中で、
様々な出来事や他者との関わりの中で、自らの生を織っている
のです。
「自分は
なんの変哲もない日常に生きている」
あなたがそう思っていたとしても、
ささやかな いろいろなものをより合わせ、
なんとか「一人の自分」としてのあり方を作っているはずです。
生地や布は、
まだ加工が施されたり、染め上げられてはいない
素地
と捉えることもできます。
自分、或いは他人の基本的傾向。あり方。
それは、外側の
何をとっぱらっても残るものであり、
例えば
それを大事にしなければ、
いいものを創作していけない、といったことを考えているかもしれません。
実例|布を探したけれど、買わずに帰る夢
布が売られている場所へ行く。
何かを作ろうという気持ちはあるけれど、いまひとつよい素材が見つからない。
結局、何も買わずに帰る。
何か作りたい気持ちはある。けれど、並んでいる素材の中には「これだ」と思えるものがない。
そのまま買わずに帰る夢は、
始めたい気持ちはあるけれど、今ある選択肢や条件では、自分の望む形にならない、
という心境を表しているのかもしれません。
仕事や記事、生活の予定、人との関係などで、
「何か新しく動きたい」
「自分らしいものを作りたい」
という思いはありながらも、妥協して始めるほどには気持ちが決まっていないのでしょう。
買わなかったのは、意欲がないからではなく、
気に入らない材料で無理に作り始めたくない
という慎重さや、自分の感覚を大切にしている状態にも見えます。
この夢では「作るもの」が決まっていないところも印象的で、
完成形を先に思い描いて布を探しているというより、素材を見ながら「何か作れないだろうか」と考えている。
今は明確な目標に向かって準備している段階というより、
自分の中にある創作意欲や変化への気持ちが、ふさわしいきっかけを探している時期
なのかもしれません。
夢主は、
何でもよいから手に入れるのではなく、
自分の感覚に合うもの、
心を動かされるもの、
そこから何かが広がっていくものを探していたのでしょう。
布を選ぶ夢は、
何を作るかだけではなく、
何を材料として、自分の世界を形にしていくか
を考えているときに見ることがあります。
あるいは、心の中にあるものが、形になる時を待っている状態なのかもしれません。
「危機には、人間の生地が出る」などという言葉もあります。
その傾向を変えていくのは難しいとしても、
いろいろなことを試みることが、無意味というわけではありません。
変えようとして努力したり、鍛えたりして、
現実に適応する有効性を高めていくことはできる
わけで、
ストレートな道を行くより、廻り道の多い小径をゆくほうが、
豊かな人生であるともいえます。
何か危機的な状況にあって、思わず素地(傾向)が出てしまうにしても、
やはり、鍛えらえているもののほうが役に立ちます。
「大きな布を広げる」夢を見た、
という人がいます。
その布は、光の反射にあわせてカラフルな色にかわってゆき、やがて
素敵な色あいに変化していった
そうです。
「色がカラフルに変わっていく」夢は、
夢を見たその人の心の状態がよくなっていくことを表します。
光は「明確な意志」や「気づき」、「目覚め」を意味し、
「広がる」は、新しい展開、
「その先に繋げよう」という意識が高まってきたことの表れといえるので、
理想を実現化していくためには、
自分の意志や能力に光を当てていこう
という気持ちが高まっているのでしょう。
私達人間は、誰しも
自分のことを表現したい、何かを創造したい、
という欲求を持っています。
みんながみんな、芸術家や作家として身を立てられるわけではない
としても、
内に抱えているものを外に出したい、
というのが自然な欲求です。
夢を見た女性は、ちょうど「職探しをしていた」ことからも、
「素材を生かして形にする」という意味があてはまります。これまでは
「効率よく稼ぐ」というところにフォーカスしていて、
自分の才能を生かす
というところには、目をつぶっていたのかもしれません。
あなたが、このような
ー 布を広げたり、布を前に作業する夢を見たら、
よりポジティブな視点から、未来のビジョンを描き直すことが大切です。
また、
地道な活動を通すことと、創造性を発揮させること
の二つを意識しましょう。
それをすることは
自分の好奇心を満たすだろうか、知性や向上心が豊かになるだろうか、情熱が湧くだろうか、
ということも、自身に問いかけてください。
自分の魂が蝕まれ、
生きていく気がなくなる
ようなことは、しないでください。
「嫌々ながらする」ことに、感謝の気持ちは湧かないものです。
闘志も夢も湧かないのだとしたら、そうした方向に努力しても、
幸せを創っていくことはできないでしょう。
「風呂敷」のように、何かを包む役割としての布は、
保護や安心が欲しいという気持ちの表れです。
「布をかける」のは、
目隠し=秘密を隠そうとしている可能性があります。
誰かがあなたにやさしく
布を掛けてくれたら、その人には
「あなたに信頼されたい、護りたい」という気持ちがあるのでしょう。



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