透き通って美しい/管理しにくい心。
対象となるものが「澄んでいる」ように感じられる夢や、固形物の透明度の高さが印象に残る夢は、
不明瞭さがなく、心から納得できていること
を示している場合があります。
そこに濁りや不純物が感じられないとき、
私たちが「透明感がある」「透き通った声」「澄んだ空」などと表現するように、
それは純度の高いものの象徴です。
つまりこの夢は、
- 迷いのない心
- 相手に対する誠実さ
- 気持ちの整理がついていること
などを表しているのでしょう。
一方で、透明人間が出てくる夢になると、少し意味合いが変わってきます。
透明人間というと、
「姿が見えない」「誰にも気づかれずに動ける」という点で、
一見すると都合のよい状態のようにも思えます。
けれど実際には、
自分の正体を見せたくない
本心や弱さを隠したい
という心の働きが表れていることも少なくありません。
ある男性は、
自分を苦しめたワンマン社長への恨みを晴らすため、透明人間になる夢を見ました。
ところが、本来なら姿が見えなくなって都合がよいはずなのに、
なぜか見つかって捕まってしまったのです。
この夢には、
怒りや仕返しを望む気持ちがにじむ一方で、
本当は自分の考えや行動をごまかしきれないと、どこかでわかっている心
も表れているのでしょう。
この夢を見た人は当時、
入社したばかりの優秀な社員に引け目を感じ、
「敵わない相手がいる」という諦めに似た気持ちも抱いていたそうです。
この場合、隠したかった「正体」とは、
先輩としての表の顔ではなく、
その奥にある弱さや劣等感だったのかもしれません。
また、追われて捕まるという展開には、
自分の中の道徳心や責任感が働いていて、
思うままにはいかない
自分を律しなければ、余計に惨めな思いをする
と告げているようにも感じられます。
また、
「姉が透明になる水を浴びたけれど、透明にはならなかった」
という夢を見た人もいます。
この場合は、
姉にはかなわない、と思っているのかもしれません。相手の本心や力のほどを、うまく見通せずにいるのでしょう。
透明になる・ならないという形を借りて、
他人との力関係や、自分の側の不安が表れているのでしょう。
こうした夢の背景には共通して、
自分の本質的な部分を他人に見られることへの怖れ
が働いているように思えます。
そしてその怖れの奥には、
- 不確定な未来に否定的な予測を立ててしまうこと
- 先の見えなさを受け入える余裕がないこと
が隠れているのかもしれません。
別の言い方をすれば、
透明人間にならなければできないこととは、
モラルや倫理を無視しながら、その責任だけは回避したい
という願望にもつながります。
けれど夢は、その願望をそのまま肯定しているのではなく、
むしろ
予測できることばかりにこだわらず、
不透明な未来も受け入れて進んでいくように
と促しているのでしょう。
見えないことを恐れるのではなく、
見えないままでも一歩を踏み出すこと。
それが、これからの自分をもっと充実させる鍵になるのかもしれません。
「居なくなる」「消える」の夢も参照してください。



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