同じ場所へ向かっていても、求めていることや物事の順序が少し違っている
一緒に過ごしたい気持ちはある。
けれど、相手と同じものを望んでいるとは限らない。
夢の中で、誰かと行き違ってしまうことがあります。
待ち合わせ場所に相手が現れない。
同じ場所に来ているはずなのに、なかなか会えない。
ようやく相手を見つけたときには、すでに別のことを始めている。
こうした夢は、相手との関係が悪くなっているというよりも、
「一緒に何かをしたい」
という気持ちは同じでも、そのための順序や時間、求めているものが少し違っていることを表します。
行き違いの夢の意味
行き違いの夢は、相手と自分の気持ちや行動のタイミングが合っていないことを表します。
「すれ違い」が心の距離や関係の変化を連想させるのに対し、「行き違い」は、
相手が違う場所へ行ってしまった。
自分とは別の順序で行動していた。
連絡や説明が十分に伝わっていなかった。
といった、相手への拒絶とは異なる種類の食い違いを表すことがあります。
互いに相手を拒んでいるわけではない
のです。
同じ目的地へ向かいながらも、そこへ至るまでの道筋が違っているのでしょう。
同じ場所にいるのに会えない夢
同じ建物や施設にいるのに相手と会えない夢は、現実でも相手との間に、何らかの認識の違いがあることを示します。
あなたが
「当然、相手もこちらへ来るだろう」
と思っていても、
相手は別の場所で待っていたり、自分の判断で先に行動していたりする、
そこに悪意があるわけではなく、
こちらが大切にしている順序や目的を、相手はまだ理解していない可能性もあります。
待っても相手が来ない夢
待っても相手が来ない夢には、
「私の気持ちに気づいてほしい」
「同じことを一緒に経験したい」
「ここへ来る意味をわかってほしい」
という思いが表れていることがあります。
あなたが求めているのは、ただ相手がそばにいることではないのかもしれない、
そして、自分では何もできないわけではない、ただ
ひとりでは不安なことに力を貸してほしい。
自分にとって大切な場所へ、一緒に踏み出してほしい。
そのような、同行すること以上の意味を求めている場合もあります。
また、相手を見つけたとき、すでに別のことを始めている場合もあります。
あなたが「一緒に始めること」に意味を感じている場合、相手が先へ進んでいる姿に、少し取り残されたような気持ちになることがあります。
実例|温泉宿で夫と行き違う夢
主人と、近場の温泉宿へ食事に行く夢を見た。
最初に、いつも使っているバスタオルを探していたが、洗濯してしまったようで見つからない。そこで、宿に用意されているタオルを使うことにした。
私は、まず温泉に入ってから食事をしようと考え、先に温泉へ向かった。しかし、主人はなかなか現れない。
待っているうちに、最初は誰もいなかった風呂場へ、中居さんに案内された男性が様子を見に来たり、逞しい背中をした男性が入っていったりした。あとから考えると、そこは混浴だった。
私は、主人とどこで行き違ったのか確かめようと、その場を離れた。
歩きながら食事の場所を見ると、トレイにはお寿司とメロンがのっており、少し楽しみに思った。
しばらく見回すと、少し離れた食事場所で主人を見つけた。しかし、主人はすでに食事を半分ほど食べていた。
私は、自分だけ温泉へ戻るか、残りの食事をご主人と一緒に食べるか考えているところで目が覚めた。
この夢では、夫婦で同じ温泉宿を訪れています。
二人の関係が途切れているわけでも、まったく別の目的を持っているわけでもありません。
ただ、夢を見た人は、
「まず温泉に入り、それから食事をする」
と考えていました。
一方、ご主人は先に食事を始めています。
二人が楽しみにしているものや、物事を始める順序が違っていたために、同じ場所にいながら行き違ってしまったのでしょう。
また、冒頭の
「いつも使っているバスタオルを探す」シーンは、自分が安心して休むための、慣れた方法や準備を表していたのではないでしょうか。
でも、そのタオルは洗濯してしまったのか使えません。
夢を見た人は、宿に用意されているタオルを使うことにします。
些細なシーンの中に、
夢主がいつものやり方にこだわらず、その場にあるものを利用しようとする柔軟さ
が描かれています。
一方で、温泉へ向かう前にも洗濯物をさばいていることから、
休もうとしているときにも、家庭の用事や日常から完全には離れられていない
という状態が表れている可能性もあります。
主人を待っている間に、ほかの人が入ってくる
ご主人を待っている間に、温泉には次々とほかの男性が入ってくる、
これは恋愛的な意味というよりも
自分が誰かを待っている間にも、周囲の時間や状況は進んでいく
ということ、
本来はご主人と一緒に経験したかった場所が、次第に別の人も出入りする場所へ変わっていったこと、
または
「いつまで待つのだろう」
「このまま待っていてよいのだろうか」
という気持ちを表していたのかもしれません。
「お寿司やメロン」に意味があるのかというと、日常よりも少し特別な食事を表していたのではないか、と考えます。
夢主も、トレイを見て楽しみに思っています。
つまり、ご主人の選んだ食事にも魅力がないわけではない、
一緒に食べれば、それなりに楽しい時間を過ごせるだろう、
でも、それは自分が最初に望んでいた「温泉に入る」という体験を後回しにすることでもある、
ということだったのではないでしょうか。
温泉へ戻るか、主人と食事をするか
この夢で最も重要なのは、最後に夢主が迷っていたことです。
自分だけ温泉へ戻る。
あるいは、ご主人の食事の残り半分に付き合う。
これは、
自分が本当にしたかったことを優先するか。
途中からでも、相手と一緒に過ごすことを選ぶか。
という迷いであり、
相手に合わせることで、自分が本来したかったことを諦めることになるのではないか。
という思いがあったのではないでしょうか。
現実の出来事とのつながり
この夢を見た人は、翌日、ご主人と花を見に出かけることを考えていました。
本人は、朝早く出発して長距離を移動し、山間部のラベンダーを見に行きたい。
一方、ご主人は、あまり長く運転したくないため、比較的近い田原や碧南でひまわりを見ることを提案していました。
どちらも花を見に出かけるという目的は同じです。
しかし、夢を見た人にとって、近場のひまわりは自分ひとりでも見に行ける場所でした。
今回、ご主人と一緒に行きたかったのは、
ひとりでは山道が心配な、少し遠い場所
だったのです。
つまり、求めていたのは単なる同行ではなく、
自分だけでは不安な場所へ、一緒に行ってもらうことに意味がありました。
なお、夢に登場したお寿司とメロンについては、
「前日に外食先で見たメニュー写真とよく似ていた」ことから、
昨日の素材を使って描かれていたのでしょう、
夢は、その日に見聞きしたものを素材として取り込みます。
こちらについては、
「夢は“昨日”を使って、あなたの“本心”を語る」で記述しています。
夢に使われたものが日常の記憶であっても、その配置や物語には、現在抱えている迷いが表れることがあるのです。
この夢を見たあなたの心の中には、譲りたくない目的が残っていることがあります。
「どちらでもよい」と思っているつもりでも、心の中には、譲りたくない目的が残っていることがあります。
行き違いの夢は、
相手とどこで行き違ったのかを探す夢であると同時に、
自分は本当はどこへ行きたかったのかを確かめる夢
でもあるのでしょう。
なお、相手を探し続けることや、会えない不安のほうが強く印象に残った場合は、
「待ち合わせている人と会えない、はぐれる、見つけられない夢」
も参考にしてください。



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