破壊者か英雄か
トリックスターといえば、
「いたずら者」でペテン師として知られ、
多くの神話や伝説に登場します。
特徴としては、
だまし癖、権威に反抗的、
変装する、二面性がある、(男性でありながら、女性に変身することもある)、
神出鬼没、奇策を用いて活躍する、危ない橋を渡ることになり、ときに拷問にさらされる、
破壊力が強い時には、古い秩序を壊すのみならず、
新しい可能性まで根こそぎ奪ってしまいそうに感じられ、この両義性に直面せざるをえなくなる
などがあげられます。
夢の中に、ちょっと風変わりな人物(変人)の姿で登場することがあります。
ときに
爆弾を「仕掛ける」など、
多くの人の生命を奪うこともあります。それは明らかに悪で、悪には違いないのだけど、
トリックスターは善悪の判断にこだわらない「いたずら好きの破壊者」
であることでも知られていて、
彼/彼女達の活躍は、怒りをかえば袋叩きにあい、
殺されるかもしれず、常に危険にさらされている
わけです。
このことが、夢とどう関わっているのかというと、
自分の中には、
新しい世界像がある、だけど
それに信頼を寄せることができない、何かが壊れそうで、
受け止めることができず立ち往生してしまう、
ということがあります。
それでも、私達はいつまでもそうしているわけにはいきません。
トリックスターは、そんなとき登場します。
私達は、何か問題が生じることで、膠着状態から脱する
ようなところがあり、
いまの固定化された状況を進展させるべく、さりげなく
登場してはたらきかけるのです。
危険のともなわない創造はないのだ、と。
ことなかれ主義でいる自分に
変革を促している可能性があるということです。
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