過度な道徳的規律や、罪のないことに対する厳しい脅しが原因することもある/生き残る恐怖
夜驚症について、はっきりしたことはわかっていません。が、
3歳くらいに発症することが多い
という共通点もあります。
「3歳」というと、我意が育ってくる年齢です。
我がままをいったり、いたずらをしてみたり、それを面白がったりする年齢です。
そして、
道徳的な性質 ー良心や罪悪感も育ち始めています。
例えば、
「悪さをしたら、お化けに連れていかれるよ、○○に捉まるよ」
などと脅したことはないだろうか。
或いは、あなたの知らないところでそうしたことが行われている、ということはないだろうか。
夜驚症の子供の中には、躾として
夜、暗い場所に連れていかれ、独りぼっちにさせられた
子供もいました。
たけり狂ったように泣く子供を最初に見たとき、大人は
恐ろしい夢でも見たのかもしれない
と思い、なんとか落ち着かせようと
大丈夫よ、お母さんがいるからね、などと言ってみたりします。
けれど、
そのような呼びかけくらいでは子供の恐怖を追い払うことはできない、ということも
心におく必要があるでしょう。なにしろ
悪さをした結果、親の保護を喪失してしまったのですから。
保護を求めて親の元にいくことができない、そんなことをしたら、
恐れに至った理由を明かすのみならず、
(悪戯したい、などの)欲望と快楽ともに放棄することになるから
野獣(=自分が封じ込めている衝動)のなすがままにされている
というわけです。
ただ、本人はこうしたことを認識していないし、説明もできません。
「こうすればこうなる」式の脅迫は、何度も続くことで強化されるであろうし、
子供が悪戯してみたい衝動に駆られるたびに悪夢となり、持続する欲望によって永続化することもある、
私達大人には、
解き難い問題だけが残される
というわけです。
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