許せない自分を許すことで救われる
不安や罪悪感について、
はっきりさせる必要があること。
何かをきっかけに、過去自分が犯した罪が明るみに出そうになり、
なんとしても隠し通したい、
という気持ちの一方で、
自分はなんということをしてしまったのだろう、
という強い罪の意識に苛まされることがあります。
こうした夢は、
心の中にずっと長い間、
自分が何か悪いことをしてきた、
という罪悪感を抱えて生きてきた
ことを表します。
例えば、「家族の期待に応えられなかった」、
「誰かの心を踏みにじってしまった」、
など、それは現実の公共の場では裁かれる罪ではないのだけど、
自分自身に違背する行為で、
後ろめたい気持ちを抱えて生きていたり、
許せない相手がいるときも、見ることがあります。
夢は、時に目をそむけたくなるほどおぞましい光景を描くこともありますが、
この場合も
犯罪や侵害の加害者と被害者の両者を巧妙に関与させ、
回復や是正を図ろうとしているのでしょう。
ー「あのとき」どうすることで自分を救えたのだろう、
と今もあなたが考え続け、
「過去」のことに苦しめられていて、
心の整理がつかない状態であること。
欲望や怒りなど、心の闇的感情は、本来誰の中にもあるものです。
それはまるで「何かを抹殺した」殺人犯のように、
(怒りや欲望などの感情を、)
無理やり断ってしまった、
見殺しにしてしまった、
という罪の意識があるのでしょう。
救えたかもしれない生命(心)があった
わけですが、その一方で、
そこまで追いこまれていた生命(心)があった
とも言えるわけです。
この夢が伝えようとしていることは、
許せない気持ちを抱え込んだまま、人生を彷徨ってしまってはいけない、
ということであり、
あなたに悔い改めよと告げていたのでも、
自分の中の醜い心があることを、思い知らせようとしていたのでもありません。
また、
怒りの原因になったことを、なかったことにしなさい
と告げているのでもないのです。
自身の正義感でそれと闘い、
できる限りのことはしたのだ、
とすべてを許せるようになることです。
そのダメージは取り返せないかもしれない、納得もいかないかもしれない、
でも、
その非を指摘し、善悪をはっきりさせることができたなら、あとは
許し、終止符を打って
未来に生きてゆきましょう。
あなたは、
十分、苦しみぬいた
のです。
闇に葬ることができずにいるのは、
「どんなに打ち消しても、打ち消せない事実なのだ」
という、強い自責の念があるからなのでしょう。
その苦しみから学んだことを、未来に役立てることが大切です。
誰かにそのこと(過去の犯罪)のことがばれて本当のことを打ち明けねばならない
という展開だとしたら、
いま、自分の心の中の気持ちがほぐれて、自分の気持ちを率直にはなしてみようか、
という気持ちになっている可能性があるでしょう。
その一方で、それから逃げ出したいくらいの恐れもある
のではないでしょうか。
真実を打ち明けるということには、大変な勇気がいるものです。
大切なのは、
隠しておきたい事実をすべからく打ち明ける
ことではなく、
誰かに共感してもらうこと
です。
凶悪な自分の側面を「遠ざけたくなる」気持ちは当然です。
けれど、無関心でいる=放っておいてしまえば、
また同じ過ちを繰り返しかねない、どこかで
(善の)心が愛を与えてあげなくては、(悪の)心を救えない
ということ。
夢を見た今が、そのどこか、それができる時なのかもしれません。
夢で自分の過ちについて打ち明けた人物がいたら、
その人物に似た特徴を持つ人や、その人と話をしてみると、
心が軽くなるでしょう。
誰かに労いの言葉をかけてもらい、安らぎを得ること、
優しく語り掛けてもらい、傷ついた心を救ってもらうこと、
健全な理解力に照らされ、未来を志向していくことが大切です。
コメント