残存する少女/少年が見せていることも。
夢の中に登場するものは、
自分の
馴染みある人や形であることが多いです。
あなたがアニメ好きであるなら、
夢の中で
アニメキャラクターが登場するのは、ごく自然なことであるといえます。
言葉よりも、形よりも、
その時のあなたにとって、
最も心的内容を
イキイキと
伝えられるものが
アニメキャラクターであったのでしょう。
自分の実感を引き受けてくれる相手として、
アニメキャラクターを選ぶこともあります。
白黒TVで育った世代の人の夢は白黒が多いと言われるように、
テクノロジーの進歩による影響もあると思います。
VRによる「実体験」も可能になり、
もはや「目に見えるものが全て」ではなくなってきているわけで、
私達は、現実の中であっても、ゲームやアニメの世界を通し
別の容姿、別の性別、別の性格をもって入り込むことができます。
自分の人生を、それと合体させて違う世界を築くことができるわけです。
子供がアニメの見るようになったら、
自分に置き換え、考えることができるようになった
ということなのでしょう。
ポケモン、ドラえもん、ワンピース、ドラゴンボール・・これらの夢に共通するのは、
様々な問題を克服し、成長していく
ということです。
それが、
成長過程における心の葛藤
を示していることもあります。
大人なのにアニメってなに?幼稚なのか、
と思うかもしれませんが、
大人になっても、私達はやっぱり「あがき続け」ます。あなたが、
意識を高めながら成長している
ということであり、悩める人である
ということ。
アニメには、よく
「みんなと同じであることの幸せ」とか、
「無力さ」、「限界」や「絶望」「迷い」など、の否定を肯定へと変える
ストーリーが描かれます。
その中で、私達は何か大切なことに目覚めることがあります。
けれど、それを受け入れるには、「今の自分」を直視しなくてはならない、
何かを変える必要があるという葛藤が起きることもあります。夢の中で、
次のステップへと進む準備をしているのかもしれません。
その部分だけがアニメだった、ということもあります。
夢の結末を受け入れるのがつらい時・苦しい時
TVや映画、アニメの世界にすり変え、
自分は観客なのだ
というような、巧妙なこともやってのけます。
そういったことから、
アニメの夢は
現実逃避
として解釈されることもあります。
「現実逃避」という言葉は否定的ですが、
現実への密着から脱出を図る
という意味では、肯定的な解釈も成り立ちます。
その場合、
実利実益を求めない
ということになるでしょう。
それによって対象との隔たりをつくり、客観性やゆとり、ユーモアが生まれるようになります。
アニメは、いわば
嘘の世界・空想の世界、
あなたのリアルな「生」ではありませんから、
その世界での失敗は失敗ではありません。
現実の
やってられない気持ち
を癒していたり、
現実を無視したり、面白い意味を含んでいたり、ユニークさを楽しむ
という意味の充足夢といえるでしょう。
「芸術の夢が示していること」参照
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